これまでに読んだ小説の中で本当に面白かったのはコレ

ソラリスの陽のもとに

ソラリスの陽のもとに ソラリスの陽のもとに(1961) スタニスワフ・レム

(ストーリー)
何かただならぬことが起きている。
事態の究明を命じられた主人公は、
惑星ソラリスに派遣される。
そこで見たのは、
戻ってこれなくなった現地滞在者たちの姿だった。

(感想)
SF小説にはときおり、とんでもない傑作が混じっていたりする。
マイナーなジャンルなので、まったく読まないという人も多いが、
そうするとその「とんでもない傑作」を、
みすみす読み逃してしまうことになる。

物語というのは作り話でしか伝えられないものを
表現するためのものだ。

SFにはその特色がとくに色濃くある。
SFでないと表現できないもの、
日常を描いただけでは伝えられないもの。
それは確実にある。

SFの舞台となるのは宇宙の果てだったり、
遠い未来の世界だったりするため、
絵空事としか思えないかもしれない。

現実の世界を生きている自分には
何の関係もないよその世界の話だど。

だが現実を捻じ曲げてみせないと見えてこない絵というのが、
確かにあるのだ。


主人公は地球から遠く離れた星、ソラリスへ派遣される。
そこで起きていることは、日常の世界で起きていることと
実はまったく同じものだ。

生きていく中でどうしても捕われてしまうものがある。
網にからまって抜け出せなくなった人たち。
そのせいで彼らは星から帰れなくなっている。

主人公もその問題に直面させられる。

問題自体はすでに地球で暮らしていた頃から、
心に存在していたのだが、
それと対峙することをごまかしてきたにすぎない。

惑星ソラシスでそれと対面することになる。

日常では見えにくくなっているものが、
異界ではむき出しになっていたりする事は、
よくあるのだ。



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